【コラム】モラハラでお悩みの方へ

モラルハラスメント(モラハラ)は、離婚で問題となることが多い事の1つです。モラルハラスメントとは精神的虐待や精神的暴力を意味します。明確な法律上の定義があるわけではないのですが、わかりやすく説明すると、夫婦喧嘩の域を出て、相手の人格を無視したり軽視したりするような言動により、相手に嫌がらせをすることがモラルハラスメントであるといえます。

モラルハラスメントについては、①どうやって証明するのか②モラルハラスメントを理由に離婚を求めることができるか③慰謝料請求ができるか、の3つの点が問題になるので、それぞれ分けて考えてみたいと思います。

 

1 証明方法

モラルハラスメントの加害者は、自分が正しいと思い込み自分の非を認めない人が多いです。そのため、モラルハラスメントがあったという事を主張しても、相手からは否定されてしまうことがほとんどです。

相手がモラルハラスメントを否定してきた場合には、その存在を証明することが必要になります。①加害者の言動を記録した録音・録画②加害者からのメール・LINE・SNS・手紙等に、具体的なモラルハラスメント言動が記録されている場合には、有力な証拠になるでしょう。また、③モラルハラスメント言動等を目撃した家族の証言や陳述書(家族の見聞きした内容をまとめた書面)も証拠となります。さらに、④被害者自身が作成した日記やメモ等も、証拠となりえます。日記やメモは、「いつ」「どんなことを言われたのか」「どんな態度をとられたのか」を、なるべく詳しく記録をしておくことが大切です。

また、調停や裁判では、被害者自身で⑤陳述書というタイトルの文書を作成し、具体的なモラルハラスメント言動の時期や内容、それによってどのような精神的苦痛を受けたのかをまとめ、証拠として提出することが多いです。

 さらに、モラルハラスメント言動を受けたことでうつ病などを患った場合には、心療内科等を受診して⑥診断書を取得しておくことも大切です。

 

2 モラルハラスメントが離婚事由になるか

モラルハラスメントを理由に離婚を求める場合、相手が離婚に応じない場合には、裁判を起こす必要があります。裁判では、相手が精神的なダメージを受けて夫婦間の信頼関係が破壊され、修復が困難になっているケースであれば、離婚事由(民法770条1項5号「その他婚姻生活を継続し難い重大な事由」)があるとして、離婚が認められるでしょう。

裁判例では、妻が夫に対して長期間にわたり、「いじめられた」「結婚して損をした」「実母とべったりだ」等具体性のない非難を並べたり、「威張るな」「ばか、何をいいやがる」などの暴言を吐き、食事や寝室を別にして夫を家庭内で孤立させる等したことから、婚姻関係が破綻したとして、離婚が認められた事案があります(横浜地判昭59・2・24 判タ528号290頁)。

 

3 モラルハラスメントを理由に慰謝料を求めることができるか

 夫婦の日常生活や通常の夫婦喧嘩において受忍すべき限度を超えて相手に精神的苦痛を与える言動が認められ、それによって離婚に至ったようなケースでは、慰謝料請求が認められる場合があります。

 裁判例では、夫が妻に非があると決めつけて非難し、妻に対して「出て行ってくれ」と実家に帰るよう求め、実家にいる妻に対して一方的に離婚届を送付し、その後の関係修復に向けた話し合いも拒んだ等の頑なで自己中心的な夫の態度が、婚姻関係が破綻した決定的な原因であると認め、100万円の慰謝料を認めた事案があります(東京地裁平成24年1月19日(平成23年(ワ)第13984号))。

 

4 まとめ

このように、モラルハラスメントにより、離婚や慰謝料が認められる場合があります。しかしながら、どの程度の言動があればモラルハラスメントに該当するのかはっきりとした基準があるわけではないので、その証明は簡単ではありません。特にモラルハラスメントが問題となる場合には、弁護士が丁寧にお話を伺い、どのような方法で証明していけばいいのか等、一緒に考えていきます。配偶者からの精神的虐待を受けている状態は、とても辛い状態で、一方踏み出すのには勇気がいると思いますが、1日でも早くそのような状態から抜け出せるように、私たちにご相談ください。

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