【コラム】女性が離婚のときに気を付けるべきこと

今回は、女性、特に未成年の子(正確には未成熟子といった方が良いとは思いますが)がいる女性が離婚の際にどういう点を気を付けたら良いか、について書きたいと思います。また、ここでは、女性の側が子供の親権を望んでいる場合を前提に書いていきます。

 

1、親権について

 親権について話し合いで合意ができれば問題がありません。任意の交渉で合意できない場合は、そのままでは離婚ができない(未成熟子がいる場合は、親権について決めないと離婚ができません)ので、まず離婚の調停を行なう必要があります。それでも合意できずに訴訟で決めるとなった場合ですが、一般に子供が小さいと母親は有利だといわれています。ただ、実際に面倒をみていたのはどちらか、ということも考慮され、また、今後、子の監護をしていく環境が整っているかということも重要です。

 そして、別居状態の時には子供が現状でいずれの親の元で暮らしているかも重視されるので、注意が必要です。これは、子供の環境を変えないほうが良いという考え方があるからです。それゆえ、同居していて、自分が留守の間に配偶者が子供とともに家を出てしまうと子供が手元にいないことで不利になる恐れがあります。したがって、同居している場合には、配偶者が子供を連れて家を出ることがないように注意しておく必要があります。なお、すでに別居していて子供とともにいる場合には、一方的に連れ去ることは犯罪に当たりますので、すでに子供とともに別居しているときに連れ去られたら警察に相談すべきであり、一方、もし相手方とともに子供がいるとしても連れ去ることは決して行なってはいけません。もし、子供が相手方とともにいる場合には、家庭裁判所に子の引き渡しを求める調停監護権者指定の調停を起こすという方法があります。

 なお、子が15歳以上の場合は家庭裁判所は子の考えを聞くことになっています(必ずしもその通り決めないといけないわけではないですが)が、15歳未満でもある程度子が大きくなっていれば子の意見も参考にされることがあります。

 

2、養育費について

 養育費についても話し合いで定めることができます。合意に至った場合は、公正証書にして、執行認諾文言を入れておきましょう。それによって、支払いが滞った場合には強制執行ができます。

 もし、養育費についてのみ合意できなかった場合は、家庭裁判所で養育費の支払いを求める調停(養育費請求調停)を起こすという方法があります。離婚についても合意できない場合は、離婚の調停を行なうことができ、その中で、養育費についても協議することになります。もし、調停で離婚について合意できなければ、訴訟の提起を行うことができ、訴訟の中で養育費についても求めることができます。

一方、離婚が成立後に、養育費の支払いを求める調停をした場合には、調停でも合意ができなければ、審判が下されます。もちろん、調停調書や審判書、裁判の判決も債務名義となり、それを基にした強制執行が可能です。

 養育費については、家庭裁判所の算定表に沿って決めるのが一般的です。令和元年(2019年)12月に変更され、一般に以前より金額が増えるケースが多いと考えられます。そういう意味では、請求する側に有利な改定がなされたといえるでしょう。

 

3、婚姻費用について

 別居から離婚成立までの間は、まだ法律上夫婦であるため、扶養義務があります。それに基づいて、生活費の請求をすることが可能です。これを婚姻費用と言います。婚姻費用についても算定表があるので、概ねそれに沿って決められることが多いです。婚姻費用について合意できない場合は、婚姻費用の負担を求める調停を行なうことができます。 

 

4、財産分与について

清算的財産分与

 結婚してから別居してまでの間に築いた財産は原則として夫婦が共同で築き上げたものと考えられます。したがって、離婚に際しては、財産を貢献に応じて分けることを求めることができます。基本的に1:1で分けますが、事情により、比率が変更される場合もあります。対象は、預貯金の他、退職金請求権、保険の解約返戻金、不動産(ただし、残ローンの価値を引いたもの)など様々なものに及びます。*ただ、退職金については将来のものであり未確定なのでどのように計算するかは議論のある所であり、そもそも対象にするか、も場合によっては議論になりえます。

 また、相続財産や婚姻前からの財産は固有の財産とされるため、財産分与の対象になりません。なお、婚姻期間中に自分の方が多く稼いで資産を形成していた場合には、自分の側から分与しないといけない場合もあります。女性でも、医師、看護師など専門性の高い仕事の方や、大企業・官庁等にお勤めの方の場合は、ご自身の方が給料が高いことも珍しくないので、夫側から請求されることも充分考えられます。そのような場合、夫婦で家事を分担していて資産形成への貢献が半々であったならともかく、夫側が一切家事をせずに妻の仕事を支えることは全くなかった場合には、納得がいかないかもしれません。そのような場合には、財産分与の比率を半分ではなく夫側に少なく妻側に多く変更する主張をすることも考えられます。1:1というのは標準であって、絶対的な基準ではなく、事情によっては異なる比率で財産分与をすることもあり得ます。

扶養的財産分与

 もし、ご自身が専業主婦であるなど収入がないか、少ない場合には、離婚後の生活費の補償としてしばらくの間定期的な給付を求めることができる場合もあります。これを、扶養的財産分与と言います。もっとも、扶養的財産分与は離婚後の生活の保障を目的としたものであるため、それがなくても生活に困らないと思われる場合には認められないと考えられます。また、認められる場合でも、時間が経てば収入を得ることができるようになることが期待されるため、例えば「1年間」など期間が限定されます(期間は事案により異なります)。どちらかと言えば、例外的な制度と考えた方が良いでしょう。

 

5、慰謝料について

 離婚の原因が不貞行為やDVなど民法上不法行為に当たる場合は、それにより生じた精神的損害についての慰謝料を請求することが可能です。ただし、裁判で請求が認められるためには充分な証拠が必要になります。また、交渉でも、証拠があれば有利に進められる可能性が高いので、不貞行為やDVについてはできるだけ証拠を集めておくことが望ましいといえます(ただ、これらの証拠を集めるにあたっては、違法な行為をしないように気を付ける必要があります)。不貞行為の場合はメールやラインの内容、写真、ホテルの領収書、などいくつか有力な証拠になりうる類型があります。また、DV被害については、診断書や公的機関への相談記録などが証拠になりえます。

 

6、その他

 老後の生活のことを考えて年金分割の手続きをすると良いでしょう。

また、親権をとれた場合、面会交流を求められる場合があります。面会交流は子の福祉のためなので、原則として、全く会わせないということはできませんが(例外はあります)、その内容(回数や時間など)については調停など家庭裁判所を通して定めることもできます。子供が会うことを強く拒んでいる場合等には面会交流拒絶が可能な場合もありますが、法律的に微妙な問題があります。

 

7、弁護士によるサポートの必要性

 離婚については、このように様々な問題が生じえます。そして、残念なことに、主張をしないと正当な権利でももらえなくなってしまいます。実際、養育費の請求をしなかったためにその後の生活に苦しんでおられる方はたくさんおられます。また、せっかく元夫と別れても面会交流のことで揉めているケースもあります。このように離婚をする場合、特に未成年のお子様がいる場合には様々な問題が起きる恐れがありますが、弁護士が付いていれば、きっと力になることができると思います。当事務所は女性弁護士が在籍しているので、もし、女性弁護士希望の場合はご指定いただくことも可能です。女性弁護士は所沢支店所属ですが、立川に移動してご相談に対応することもできます。離婚を考えているとき、今後の生活の変化を考えると不安だと思います。そういうときこそ、専門家である弁護士にご相談ください。なお、実際に依頼するかどうかは、弁護士にご相談後に決めていただければよく、相談したからといって依頼しないといけないというわけでもありません。繰り返し相談してからご依頼という方もおられれば、相談だけで解決したという方もおられます。当事務所の場合、初回1時間は相談無料なので、まずはご相談ください。

 

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