【コラム】未成熟子がいる女性が離婚において気を付けるべきこと

ここでは、一般に未成熟子がいる女性が離婚において気を付けたほうが良いことについて触れます。なお、ここで未成熟子というのは、概ね、未成年の子供と範囲は重なりますが、大学生など成人であってもまだ世話をすることが必要である場合を含み、一方で未成年でも結婚して自立している場合を除きます。

 

1、親権について

 親権については、子供が小さいうちは母親が有利というのは昔からよく言われます。現在でも、そういう傾向はあると思います。ただ、裁判所は女性だからという理由よりもこれまで子供の世話をしてきたという実績を見ているのだと思います。

 また、夫婦が別居している場合は、実際に面倒を見ている親の方が有利になる傾向はあります。だからといって、すでに相手方が面倒を見ている子を連れ去ることは刑事責任を問われる恐れもあるので、絶対にしてはいけません。その状況では、家庭裁判所に、この引き渡し・監護者指定の調停を申し立てることを検討すると良いでしょう。

 逆に、同居しているときに気を付けないといけないのは、留守中に配偶者が子供を連れて別居してしまうことです。例えば保育園・幼稚園などに相手方が迎えに行って連れて行ってしまわないように注意しておく必要があります。

 以上のように、親権は必ず母親というわけではないので、親権を確保したいときは早いうちに弁護士に相談して、どういう対策をすればよいか、確認しておくと良いでしょう。

 なお、家庭裁判所で決める場合、15歳以上の場合、裁判所は子の意見を聞くことが義務付けられています。実際は、もう少し小さい子でも、子供自身の意見を聞く手続きがなされます。未就学児の場合と違って、中学生や高校生になれば、子供自身の意見が尊重される可能性が高くなってきます。

2、婚姻費用・養育費について

 まず、別居期間中は、収入が少ない方は収入が多い方に対して、婚姻費用を請求できます。婚姻費用というのは夫婦間の扶養義務に基づく生活費のことであり、義務者、権利者、それぞれの年収、及び子供の数や年齢、などによって決まってきます。

 一方、養育費は、離婚後に、子の監護権を持つ側が相手方に対して持つ請求権であり、同様にそれぞれの年収や子供の数、年齢等により決められます。

 月々いくら、という決め方をしますが、大学の入学金や学費については別途協議する、というような決め方をすることが多いです。なぜなら、大学等は進学するかどうか、子らが大きくならないとわからず、あらかじめ金額を決めることが難しいからです。

 ここで重要なことは、養育費は本来権利ですが、請求することで具体化しないと支払ってもらえないということです。つまり、離婚する際に金額や支払方法を決めておかないと、自動的に支払われるわけではありません。離婚の際に離婚協議書で決めても良いですし、調停を行う場合はその中で決めるか、別途養育費請求の調停を起こすこともできます。養育費は権利なので、養育費請求の調停でまとまらない場合は審判に移行して、裁判所が決めてくれます。

 また、離婚の際に決めなくても後から決めることもできますが、その場合は、請求する前の分を遡って請求することは認められない可能性があります。もちろん、一度決めておけば、その後は時効にかかるまでは請求できるのですが、請求をしないままの場合は、請求した日以降の分しか認められない可能性があります。

 もし、ご自身で話しづらいという場合は、弁護士に交渉を依頼する等して、早めに請求することをお勧めします。

3、財産分与について

 財産分与は、原則は、婚姻から別居までに築いた資産を半分に分けるという手続きになります。これを清算的財産分与と言いますが、単に財産分与と言えば多くの場合、これを指すと思います。ここで、固有財産(特有財産)は分与対象になりません。例えば、婚姻前からの財産や遺産などです。それらは夫婦で協力して築いた財産ではないので、分与対象になりません。

 また、扶養的財産分与というものもあります。これは、婚姻期間中専業主婦として家事に専念するなどして収入がなかった場合に、しばらくの間生活できるだけの資産を分与するもので、扶養の意味で行われるものなので、扶養的財産分与と呼ばれます。本来は離婚後は扶養義務はないはずなのですが、婚姻により配偶者に協力するために仕事を辞めるなどして収入が少なくなっていた場合には、自立して生きていくだけの経済力をつけるのに必要な期間(例えば1年程度)の生活費を、清算的財産分与とは別に、請求できる場合があります。清算的財産分与が認められるかどうか、どの程度認められるかは、案件により、また、裁判所の判断により、ばらつきがあるように思います。

 また、分与対象は、預貯金、現金、不動産、保険の解約返戻金、退職金、など様々なものが含まれます。預貯金がなさそうだから、というのであきらめるのではなく、丁寧な検討が必要です。(退職金についてはどの程度認めるか、どのように計算するか、は議論もあります)

いずれにせよ、財産分与は、財産面での公平性という意味だけではなく、女性が離婚後に生活していくために重要なものですから、しっかりと計算して請求しましょう。

 

4、慰謝料

 慰謝料は、相手方に不貞行為があった場合、DVがあった場合、悪意の遺棄があった場合、など民法上不法と評価される行為があった場合に認められます。もっとも、DVが慰謝料の根拠になるかは、程度や回数にもよると思われます。また、悪意の遺棄は、生活費を入れなかった場合や配偶者を追い出した場合などが該当しうると考えられます。

 慰謝料については、相手方が認めない場合は、立証が重要になってきます。また、内容や程度によって、金額は変わってきます。

 

5、面会交流に応じる必要はあるか

 親権(監護権)を取れた場合、相手方から面会交流の要求があることが多いと思います。これについては、応じたくないという気持ちをお持ちの方も多いと思います。しかし、面会交流は子の福祉のための制度であり、まったく応じないということは原則としてできないことになっています。ただ、子自身がどうしても会いたくない場合や暴力で身に危険が及ぶような場合には拒否することもできると考えられます。

 

6、まずは弁護士に相談を

 配偶者に対して不満があっても、経済力やその他の理由でなかなか離婚に踏み切れないこともあると思います。また、怖いから、とか、言っても聞いてくれない人だから、というような理由で不利な条件で、本来もらえるべき財産分与や養育費の請求もせずに離婚に応じてしまっているケースもあります。その結果、経済的に困窮してしまう場合もあります。また、離婚後も親権をめぐって不満を持っているというケースもあります。そのような問題を避けるためにも、離婚を考えたら、まずは離婚問題に詳しい弁護士にご相談ください。当事務所は、離婚に関する問題に力を入れてきました。女性の方から相談、依頼を受けた実績も多数あります。ご相談ご希望の方は、まずは、お電話か電子メールでご予約の上、立川か所沢の事務所までご来訪ください。相談は、初回1時間まで無料です。

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