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【コラム】女性が離婚のときに気を付けるべきこと

2020-05-19

今回は、女性、特に未成年の子(正確には未成熟子といった方が良いとは思いますが)がいる女性が離婚の際にどういう点を気を付けたら良いか、について書きたいと思います。また、ここでは、女性の側が子供の親権を望んでいる場合を前提に書いていきます。

 

1、親権について

 親権について話し合いで合意ができれば問題がありません。任意の交渉で合意できない場合は、そのままでは離婚ができない(未成熟子がいる場合は、親権について決めないと離婚ができません)ので、まず離婚の調停を行なう必要があります。それでも合意できずに訴訟で決めるとなった場合ですが、一般に子供が小さいと母親は有利だといわれています。ただ、実際に面倒をみていたのはどちらか、ということも考慮され、また、今後、子の監護をしていく環境が整っているかということも重要です。

 そして、別居状態の時には子供が現状でいずれの親の元で暮らしているかも重視されるので、注意が必要です。これは、子供の環境を変えないほうが良いという考え方があるからです。それゆえ、同居していて、自分が留守の間に配偶者が子供とともに家を出てしまうと子供が手元にいないことで不利になる恐れがあります。したがって、同居している場合には、配偶者が子供を連れて家を出ることがないように注意しておく必要があります。なお、すでに別居していて子供とともにいる場合には、一方的に連れ去ることは犯罪に当たりますので、すでに子供とともに別居しているときに連れ去られたら警察に相談すべきであり、一方、もし相手方とともに子供がいるとしても連れ去ることは決して行なってはいけません。もし、子供が相手方とともにいる場合には、家庭裁判所に子の引き渡しを求める調停監護権者指定の調停を起こすという方法があります。

 なお、子が15歳以上の場合は家庭裁判所は子の考えを聞くことになっています(必ずしもその通り決めないといけないわけではないですが)が、15歳未満でもある程度子が大きくなっていれば子の意見も参考にされることがあります。

 

2、養育費について

 養育費についても話し合いで定めることができます。合意に至った場合は、公正証書にして、執行認諾文言を入れておきましょう。それによって、支払いが滞った場合には強制執行ができます。

 もし、養育費についてのみ合意できなかった場合は、家庭裁判所で養育費の支払いを求める調停(養育費請求調停)を起こすという方法があります。離婚についても合意できない場合は、離婚の調停を行なうことができ、その中で、養育費についても協議することになります。もし、調停で離婚について合意できなければ、訴訟の提起を行うことができ、訴訟の中で養育費についても求めることができます。

一方、離婚が成立後に、養育費の支払いを求める調停をした場合には、調停でも合意ができなければ、審判が下されます。もちろん、調停調書や審判書、裁判の判決も債務名義となり、それを基にした強制執行が可能です。

 養育費については、家庭裁判所の算定表に沿って決めるのが一般的です。令和元年(2019年)12月に変更され、一般に以前より金額が増えるケースが多いと考えられます。そういう意味では、請求する側に有利な改定がなされたといえるでしょう。

 

3、婚姻費用について

 別居から離婚成立までの間は、まだ法律上夫婦であるため、扶養義務があります。それに基づいて、生活費の請求をすることが可能です。これを婚姻費用と言います。婚姻費用についても算定表があるので、概ねそれに沿って決められることが多いです。婚姻費用について合意できない場合は、婚姻費用の負担を求める調停を行なうことができます。 

 

4、財産分与について

清算的財産分与

 結婚してから別居してまでの間に築いた財産は原則として夫婦が共同で築き上げたものと考えられます。したがって、離婚に際しては、財産を貢献に応じて分けることを求めることができます。基本的に1:1で分けますが、事情により、比率が変更される場合もあります。対象は、預貯金の他、退職金請求権、保険の解約返戻金、不動産(ただし、残ローンの価値を引いたもの)など様々なものに及びます。*ただ、退職金については将来のものであり未確定なのでどのように計算するかは議論のある所であり、そもそも対象にするか、も場合によっては議論になりえます。

 また、相続財産や婚姻前からの財産は固有の財産とされるため、財産分与の対象になりません。なお、婚姻期間中に自分の方が多く稼いで資産を形成していた場合には、自分の側から分与しないといけない場合もあります。女性でも、医師、看護師など専門性の高い仕事の方や、大企業・官庁等にお勤めの方の場合は、ご自身の方が給料が高いことも珍しくないので、夫側から請求されることも充分考えられます。そのような場合、夫婦で家事を分担していて資産形成への貢献が半々であったならともかく、夫側が一切家事をせずに妻の仕事を支えることは全くなかった場合には、納得がいかないかもしれません。そのような場合には、財産分与の比率を半分ではなく夫側に少なく妻側に多く変更する主張をすることも考えられます。1:1というのは標準であって、絶対的な基準ではなく、事情によっては異なる比率で財産分与をすることもあり得ます。

扶養的財産分与

 もし、ご自身が専業主婦であるなど収入がないか、少ない場合には、離婚後の生活費の補償としてしばらくの間定期的な給付を求めることができる場合もあります。これを、扶養的財産分与と言います。もっとも、扶養的財産分与は離婚後の生活の保障を目的としたものであるため、それがなくても生活に困らないと思われる場合には認められないと考えられます。また、認められる場合でも、時間が経てば収入を得ることができるようになることが期待されるため、例えば「1年間」など期間が限定されます(期間は事案により異なります)。どちらかと言えば、例外的な制度と考えた方が良いでしょう。

 

5、慰謝料について

 離婚の原因が不貞行為やDVなど民法上不法行為に当たる場合は、それにより生じた精神的損害についての慰謝料を請求することが可能です。ただし、裁判で請求が認められるためには充分な証拠が必要になります。また、交渉でも、証拠があれば有利に進められる可能性が高いので、不貞行為やDVについてはできるだけ証拠を集めておくことが望ましいといえます(ただ、これらの証拠を集めるにあたっては、違法な行為をしないように気を付ける必要があります)。不貞行為の場合はメールやラインの内容、写真、ホテルの領収書、などいくつか有力な証拠になりうる類型があります。また、DV被害については、診断書や公的機関への相談記録などが証拠になりえます。

 

6、その他

 老後の生活のことを考えて年金分割の手続きをすると良いでしょう。

また、親権をとれた場合、面会交流を求められる場合があります。面会交流は子の福祉のためなので、原則として、全く会わせないということはできませんが(例外はあります)、その内容(回数や時間など)については調停など家庭裁判所を通して定めることもできます。子供が会うことを強く拒んでいる場合等には面会交流拒絶が可能な場合もありますが、法律的に微妙な問題があります。

 

7、弁護士によるサポートの必要性

 離婚については、このように様々な問題が生じえます。そして、残念なことに、主張をしないと正当な権利でももらえなくなってしまいます。実際、養育費の請求をしなかったためにその後の生活に苦しんでおられる方はたくさんおられます。また、せっかく元夫と別れても面会交流のことで揉めているケースもあります。このように離婚をする場合、特に未成年のお子様がいる場合には様々な問題が起きる恐れがありますが、弁護士が付いていれば、きっと力になることができると思います。当事務所は女性弁護士が在籍しているので、もし、女性弁護士希望の場合はご指定いただくことも可能です。女性弁護士は所沢支店所属ですが、立川に移動してご相談に対応することもできます。離婚を考えているとき、今後の生活の変化を考えると不安だと思います。そういうときこそ、専門家である弁護士にご相談ください。なお、実際に依頼するかどうかは、弁護士にご相談後に決めていただければよく、相談したからといって依頼しないといけないというわけでもありません。繰り返し相談してからご依頼という方もおられれば、相談だけで解決したという方もおられます。当事務所の場合、初回1時間は相談無料なので、まずはご相談ください。

 

【コラム】夫から一方的に離婚したいといわれたら

2020-02-28

自分には全く非がないのに、同居している夫から「離婚をしたい」「〇日までに家を出ていけ」と言われたという女性の方から相談を受けることがあります。「そこまで言われた相手と、同じ屋根の下で一緒に暮らすのは苦痛で仕方ないので、すぐにでも離婚する!」と悔しさと怒りの気持ちを抱えて、事務所に駆け込んで来られる方もいます。そのようなお気持ち、よくわかるのですが、弁護士としては、主に2つの理由から、まずは落ち着いて、離婚をすべきかどうかを慎重に考えてほしいとアドバイスすることが多いです。

 

理由1 離婚裁判では夫が負ける可能性が高いから

そおそも、夫から離婚をしたい、出ていけと言われたとしても、直ちに応じる必要はありません。妻が離婚を拒否してもなお、夫が離婚を希望する場合には、夫から家庭裁判所に離婚調停を起こし、調停で合意ができない場合には、裁判所に裁判(離婚訴訟)を起こすことが必要です。しかし、同居中の妻が、離婚の原因を作っていない場合には、離婚訴訟を起こしても、夫は原則勝てません。万が一、離婚訴訟で夫が勝って離婚が認められてしまったとしても、裁判が決まるまでは、妻は自分から離婚に応じたり、家を出る必要はないのです。

 

理由2 生活費(婚姻費用)を受け取る権利を失ってしまうから

離婚してしまうと、生活費(婚姻費用)を受け取る権利がなくなってしまいます。結婚している間は、妻の収入が夫より低い場合、夫から婚姻費用として生活費を受け取る権利があります。しかし、離婚してしまうと、この権利がなくなってしまいます。妻の方が収入が低い場合が多いので、経済的には、離婚しない方が得な場合が多いのです。

 

以上を2点をふまえても、やはり同居を続けるのは苦痛という方は、婚姻費用の金額を合意した上で、別居するという方法もあります。もし婚姻費用の金額が決まらない場合には、家庭裁判所で調停を起こして、話し合いをすることもできます。もっとも、別居期間が長期になった場合には、夫の請求による離婚が認められる可能性が高くなりますので、注意が必要です。(夫側にのみ有責事由がある場合は簡単には認められませんが、どちらにも有責事由がない場合は別居期間が長くなると認められる可能性が高まってきます)

 

夫から一方的に離婚を言い渡された方は、本当に悔しくて、早く別居をしたり、離婚してしまいたいと思われるかもしれません。しかし、離婚に直ちに応じる必要はなく、生活費を受け取る権利を失ってしまうリスクもあることを踏まえて、どうするのが一番良いのかを、冷静に考えたいただくのがよいと思います。

 

【コラム】協議離婚で弁護士に依頼するメリット

2020-02-08

協議離婚は文字通り話し合いで決める離婚なので、裁判離婚と違い、当事者の合意ですることができます。それゆえ、弁護士に依頼せずに行うことも可能です。しかし、実際には弁護士に依頼されるケースもあります。では、協議離婚について弁護士に依頼するメリットはどういうところでしょうか?

・弁護士に交渉を任せることができるため相手方と話さなくてよい

・慰謝料、財産分与、養育費、など法的な主張をしっかりとできる

点が挙げられます。さらに適切な書面(離婚協議書)を作成することで、以後の養育費等の給付を受けられる確実性が高まります。

 当事者どうしだと離婚することを優先にしてしまい、請求すべきものも請求せずに別れてしまうケースも多いですが、離婚後の生活を考えると、条件を交渉して定めることは重要です。特に養育費は子供が20歳になるまでの生活費や学費の確保のためにも重要です。財産分与に関しても保険の解約返戻金、退職金、不動産の剰余価値、など様々なものが対象になりえます。ご自身の権利を正しく把握して主張するためにも、協議を始める段階で弁護士に相談することをお勧めします。

【コラム】離婚の流れ

2020-02-05

<離婚の流れ>

離婚をしたいが、相手が応じてくれるかわからない又は相手からは離婚しないと言われている・・こんな場合でも離婚ができるのか、以下でご説明します。

 

<1>離婚の種類

離婚には、大きく区分して、①協議離婚②調停離婚③裁判離婚の3つがあります。

①協議離婚

当事者で話し合って行う離婚

②調停離婚

裁判所で調停委員を介して、当事者が話し合って行う離婚

③裁判離婚

裁判所で行う離婚

①②は、いずれも当事者の合意がある場合に離婚が成立しますが、裁判所が仲介に入るか否かで異なります。

②③は、いずれも裁判所で行われる離婚事件ではありますが、②はあくまで話し合いであるのに対し、③は双方の主張立証の上で、裁判官が判断して行われることになります(途中で和解する場合もあります)。

③裁判離婚においては、法律上の離婚原因に該当するかが審理されることになります。法律上の離婚原因は5つに限定されており、多くは「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」に該当するかで争われることになります。

 

<2>離婚の流れ

大半の離婚事件は、①→②→③の順で進むことになります。

すなわち、まずは当事者同士で話し合う(①)が、折り合いがつかず、裁判所で調停を行い(②)、それでもダメな(合意できない)場合に裁判所の判断を求める(③)という流れです。

では、とにかく最短で離婚したい場合で、相手が応じない可能性がある場合に、いきなり裁判離婚を求められないのでしょうか。

結論から言うと、原則として、それはできないことになっています。

法律上は、当事者の協議の場を設ける必要性があるとして、②調停を経てから初めて③裁判離婚を求めることができる、とされています。これを調停前置主義といいます。

そのため、相手方が離婚に応じないような場合には、まず調停を申し立てることになります。そうして、調停が不調に終わったら、裁判を起こすことができます。なお、離婚の調停が不調に終わってから訴訟提起まであまりにも時間が経ちすぎると調停前置の要請を満たさないとされる可能性もあります。

詳しくは弁護士にご相談ください。

 

【ご紹介】立川における離婚・不貞慰謝料の無料相談

2020-01-24

多摩中央法律事務所では、離婚や不貞慰謝料に関しては初回1時間に限って無料でご相談を受け付けています。

当事務所の本店は立川にあり、立川駅北口から徒歩8分、立川高松郵便局の横です。

駅前のビックカメラの前の道をひたすらまっすぐ進んでいただいて、立川女子高東交差点のすぐそこです。

立川に所属している弁護士は男性ですが、ご希望であれば所沢支店から女性弁護士を呼ぶこともできます。

離婚(またはそれに関連する慰謝料、財産分与、親権、養育費、婚姻費用など)で悩んでおられる方は、まずはお電話か電子メールでご予約の上、ご来訪ください。

電話は平日午前10時から午後9時30分、土日は午前10時から午後7時までつながります。

当事務所では多くの離婚・不貞慰謝料の案件を扱ってきたので、まずはご相談いただければ、と思います。

【コラム】こんなはずではなかった?~性格の不一致による離婚が認められるか~

2020-01-09

当事務所では、離婚事件を多く取り扱っておりますが、離婚原因は、それぞれの夫婦で様々です。DVが原因という方もいらっしゃいますし、近年ニュースでも取り上げられるモラハラ(モラルハラスメント)に苦しまれている方もいらっしゃいます。

 そんな中で、多くの方が口にされるのが、性格の不一致です。「感覚が合わない」「結婚前は愛情を持っていたが、今は愛情を持っていない」「思いやりを感じない」など、内容は様々ですが、配偶者との性格や価値観の違いを理由に離婚を考える方は多くいらっしゃいます。

 しかし、夫婦といえども別人である以上、性格が合わないというだけでは離婚が認められないこともあります。

 

 夫婦の双方が離婚に同意している場合、離婚原因は問題になりません。双方がいいと言っている以上、離婚原因が何であるかを突き詰める必要はないのです。しかし、いずれか一方が離婚を拒否している場合、他方がどうしても離婚を望む場合には、調停・裁判と手続きを進める必要がありますが、裁判で離婚をするためには、法定離婚原因という民法に定められた要件を満たしている必要があります。

 法定離婚原因はいくつかありますが、性格の不一致は、そのうちの「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性があるといわれています。

 では、どんな場合でも、婚姻を継続しがたいと判断してもらえるかというと、そういうわけではありません。上記のように、夫婦といえども別人格ですから、何から何まで気が合うということはなく、多少なりとも合わない部分があるのが通常です。そして、その合わない部分は、話合いや双方の歩み寄りにより、解消することができる場合があります。

そのため、性格の不一致が原因で、婚姻を継続しがたいと認めてもらうためには、別居の有無やその期間、会話の有無、性的関係の有無、口論の有無や程度、修復の意思や行動などから、双方の関係が回復の見込みがない程度に破綻しているといえることが必要になります。

夫婦の片方が、性格が合わないと感じている場合には、他方も同じように感じている場合もあると思いますが、性格の不一致というのは目に見えない分、立証が難しいという面もあります。

配偶者に対する愛情が薄れてきた、価値観が合わないので離婚を考えたい、という場合には、ぜひ一度当事務所へご相談ください。

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