Archive for the ‘養育費’ Category

【コラム】養育費は何歳までもらえるか?

2020-04-10

お子さんがいる方が離婚した場合、養育費をどうするのかは、重要な問題です。養育費の金額は、裁判所が公表している算定表をもとに決められることが多いです。では、養育費は何歳までもらえるでしょうか。このコラムでは、養育費の終期がいつか、というテーマを説明させていただきたいと思います。

 

1 話し合いで決める場合

協議離婚や調停等の話し合いで決める場合には、当事者が合意した期間が支払いの終期となります。

実際の話し合いでは、親権者となる側からは「4年生大学卒業まで」という希望が出され、これに対して相手方からは「高校卒業まで」あるいは「20歳まで」等の望が出てくることが多いように思います。養育費の終期については、離婚をするにあたり決めなければならない他の様々な事項(財産分与や慰謝料等)と合わせて協議を進めていきます。話し合いを重ねても、養育費の終期について合意ができない場合には、養育費の終期は「20歳まで」と譲歩し、その他の条件面では希望を通せるように話し合いを進めるという方もいます。

 

2 裁判所が決める場合

養育費について調停でも合意できない場合には、審判となり、裁判所が判断します。養育費の終期は、子どもが経済的に自立して、親が養う必要がなくなったときです。法律用語でいうと、子が「未成熟子」でなくなったときが、養育費分担義務の終わりの時期です。子が未成熟子にあたるかどうかと、成人しているかどうかは、必ずしも一致しません。未成年の子であっても、働いて自立して生活できるだけの収入を得ている場合には、未成熟子にはあたらないでしょう。逆に、成人していても、病気や障害で働けない場合には、未成熟子と扱われる場合もあります。大学生の場合には、父母の収入、社会的地位、学歴等を総合考慮して、4年生の大学卒業までは未成熟子と扱われる可能性があります。

このように、子がいつ「未成熟子」を脱するかは、事案毎に個別事情を総合考慮して認定判断されますが、その時期を特定するのが難しい場合には、子が未成熟子を脱するのは20歳になる時点と判断されることが多いと思われます。

 

このコラムでは、意外と争いになることが多い、養育費の終時について、記載させていただきました。20歳というのを1つのベースとして、個別具体的な事情を踏まえて、よく検討していただきたいと思います。

 

 

【コラム】通常の養育費以外の子供の費用2

2020-02-25

前回のコラムでは、養育費以外にかかる子どもの費用(高校大学に進学する際の入学金、受験費用、入院してかかった普段より高額の医療費等)の決め方について、離婚後に協議して決めるという合意になることが多いことを説明させていただきました。ただ、請求しても相手が支払ってくれるとは到底思えないと心配な方も、いらっしゃると思います。もし協議が整わない場合には、調停手続を使って裁判所で話し合いをすることもできます。しかし、調停にする前に、特別費用を支払ってもらうのに大切なことがあります。それは面会交流が順調に継続されていることです。

面会交流が上手く継続していれば、面会交流の中で、子どもからお父さんに、「〇〇学校に進学しようと思うけど、応援してもらえないか」という相談をする機会があるでしょう。「元妻からの請求では支払う気がおきないが、子どもから直接言われたら応援したくなる」というお父さん、実際には多いようです。そのため、面会交流が順調に続けられていることが、特別費用を支払ってもらうためには、とても大切なことです。もちろん、養育費をきちんと支払ってもらうためにも大切です。

面会交流と養育費・特別費用の支払いは、車の両輪のように、両方が大切なものです。もし、どちらかでもうまくいかなくなってしまった場合には、当事務所にご相談下さい。

【コラム】通常の養育費以外の子供の費用1

2020-02-22

未成年のお子さんがいる夫婦が離婚する場合、毎月かかる子どもの生活費や教育費については、養育費として合意します。もっとも、子どもを育てていると、ある時期に、まとまったお金が必要になることがありますよね。例えば、高校大学に進学する際の入学金、受験費用、入院してかかった普段より高額の医療費等です。これらの特別の費用についても、離婚の際には忘れずに決めておいてほしいと思います。ではどんな風に決めたらよいのでしょうか。主に2つの方法があります。ここでは、夫が妻より収入が高く、妻が親権者となって子どもを育てるケースで説明します。

 

1 事前に割合を決めておくケース

例えば、「全額夫が負担」あるいは「2分の1ずつ」と、事前に負担割合を決めておく方法があります。女性の方は、離婚後、出費があるごとに夫と協議をするのは難しいので、事前に割合を決めておくことを希望する方が多いように思います。もちろん、夫がこれで合意してくれれば、そのような定めが可能です。しかし、実際には、夫からは「事前の相談もなく、当然にかかった費用を支払う約束はできない。」と反論されることが多いです。例えば、受験費用ならば何校受験するのか、私立なのか公立なのか、そういったことによっても費用が変わってくるので、事前に相談なしに、後から領収書等だけを渡されて支払うことはできないという主張です。そのため、後述のように、「協議して決める」という内容になることが、実際には多いと思います。

 

2 協議にするケース

特別の費用については、「協議して決める」となることが、実際には多いです。離婚調停でも、前述のように事前に割合を定めることを希望しても、相手が拒否した場合、協議して決めるという条項にするよう、裁判所から勧められることが多いと思います。あるいは、「2分の1ずつ負担するが、特別費用の内容や金額について、事前に協議をすることにする」というように、事前に協議をすることを条件に、負担割合だけ決めておく方法もあります。

万が一、離婚後に協議しても合意ができなかった場合には、調停を利用して裁判所で話し合うことができます。

 

今回は、特別費用の決め方を2つご説明しました。離婚にあたって、お子さんにかかるお金に関する心配は尽きないと思います。養育費だけではなく、特別費用についても、忘れずに決めておいて下さいね。

 

 

 

 

【コラム】養育費の額は変更できるか?

2020-02-02

養育費を決定するためには、交渉、調停、審判、などいくつかの方法があります。

では、一度養育費の額が決まった場合、後から変更できるでしょうか?

まず、当事者同士で合意できれば、変更は可能です。

では、相手方の合意を得られなかった場合はどうでしょうか?

その場合は、養育費変更の調停を申し立てることができます。調停でもまとまらない場合には、審判に移行します。

ここで実際に変更がされるためには、事情の変更が必要です。すなわち、増額が認められるためには、権利者の収入が著しく減少した、義務者の収入が著しく増加した、などの事情が必要です。また、減額が認められるためには、権利者の集中が著しく増加した、義務者の収入が著しく低下した、義務者に新たに養育すべき妻を得たり子が生まれた、などの事情が必要です。権利者が再婚して再婚相手と子の間に養子縁組が成立した場合も減額できる可能性があります。いずれにせよ、事後的に変更することが必要な事情であることが求められるので、当初定めた額が少なすぎたから、あるいは、多すぎたから、というだけでは通りにくいと解されます。それゆえ、養育費について最初に定める際に、特に合意で定める場合、相手方の要求通り定めてしまうようなケースもありますが、できる限り妥当な範囲内で決められるように、十分な知識を持つ弁護士に相談して決めることが望ましいといえます。

 養育費の変更についても、弁護士は交渉、調停。審判、いずれの段階でも代理人を務めることができます。養育費の増額や減額を求めたい、それらを求められて困っている、という方はまずは弁護士にご相談ください。養育費に関する相談も、当事務所では初回1時間無料とさせていただいております。

【コラム】婚姻費用・養育費って?

2020-01-31

離婚をしたい!と思う方の中には、「今すぐ別居したい。けど生活費が・・」という方もいるのではないでしょうか。

しかし、離婚前の別居中でも婚姻費用を請求することができる場合があります。また、お子様がいらっしゃる場合には、離婚後に養育費の請求もすることができます。

以下では、婚姻費用・養育費についてそれぞれ説明します。

 

〇婚姻費用とは

文字通り、「婚姻生活に必要な費用」を意味します。

法律では、夫婦は結婚すると「結婚相手に自分の生活と同じ程度の生活を過ごさせること」が義務付けられます(生活保持義務)。

これが、別居してしまうと、一方が、他方に比べて収入が低いために、生活の程度に差が出てしまいます。そのため、収入が高い方が低い方に、生活費を交付しましょう、ということになり、これがいわゆる婚姻費用です。家庭裁判所では略して婚費という言い方をすることも多いです。

では、その金額をどのように考えるかが問題ですが、裁判所が婚姻費用の算定表を作成・公表しており、実務ではこの算定表に基づき算出されることが多いです(令和元年12月23日に改定されました)。しかし、算定表に双方の収入を照らし合わせて算出すれば簡単だね!とはならいこともあるのに注意です。

例えば、出て行った方が、残っている配偶者が住んでいる自宅の家賃や住宅ローンを払い続けていたりした場合には実質的に婚姻費用の支払いと考えて減額される場合がありますし、そもそも算定表に当てはめる双方の収入額に争いが生じる場合もあります(個人事業主の場合など)。また、子供が多いなどで算定表に当てはまる例がない場合は、計算式に当てはめて計算する必要があります。

なお、婚姻費用の具体的な金額については交渉、調停、または、審判で決定します。調停でまとまらなくても審判移行するので、最終的には法律に基づいて決められます。

なお、調停や審判で定めた場合、あるいは公正証書で定めて執行認諾文言を入れた場合には、支払われない場合、強制執行が可能です。

〇養育費とは

では、離婚が成立した場合には、法律上も夫婦ではなくなるので、婚姻費用は請求できなくなります。他には何も請求できないのでしょうか。

夫婦に子供がおり、その親権を母親が獲得した場合、父親には母親に対して養育費を支払う義務が生じます。

基本的には離婚時から子供が20歳になるまで、支払義務が生じるものと考えられており、金額については婚姻費用と同様に裁判所から算定表が公表されているところです。

なお、養育費について、現実化するためには交渉や調停などで決めることが必要です。離婚の際にそれらの方法で決めておくと良いでしょう。交渉や調停で合意に至らなくても、離婚が成立した場合は、養育費については審判で決定されますのでご安心ください。

仮に離婚時に定めなかった場合は、後からでも交渉、調停、審判で決めることができます。また、離婚訴訟の場合には一緒に養育費についても決めてもらうことができます。ただし、それらにより請求する前の分までさかのぼって請求できるかは議論があり、遡れないという扱いがされることもあるので、できるだけ早く請求をしましょう。なお、決まった場合の未払いについては、時効になる前であれば請求可能です。

養育費を調停や審判、裁判で、あるいは公正証書で定めて執行認諾文言を入れた場合には、強制執行が可能です。通常、相手方の給与を差し押さえる場合が多いですが、勤め先が分からない場合は自分で調査して明らかにする必要があります。また、相手方が不動産などの資産を持っていればそれを差押えることができる場合もあります(銀行などの抵当権が担保している債権の残高のほうが多いとうまくいきませんが)。

婚姻費用や養育費についても弁護士に相談したり、交渉や調停等を依頼することもできます。

また、未払いの場合の請求、執行の代理もできます。

さらに、養育費変更の調停をご依頼いただくこともできます。

婚姻費用や養育費について困っている場合は、まずは弁護士にご相談ください。

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